2025 FD JAPAN Rd1 富士 レポート&リザルト

FORMULA DRIFT USAにも参戦するケン グシが待望の初優勝
FORMULA DRIFT JAPAN 2025 富士スピードウェイ開幕戦

11年目のシリーズ戦となる、FORMULA DRIFT JAPAN。今年も話題のドライバーが多く参戦し、激しいドリフトバトルを展開する。注目は、大湯都史樹(GR86)の参戦。昨年から参戦している大嶋和也に続き、2人目のスーパーGTのGT500に参戦中の選手が、ドリフト界への挑戦となる。FDJ2からステップアップしてくる選手も多く、今年も激戦必至のシリーズとなることは間違いないだろう。開幕戦は、今年も富士スピードウェイが主催するFuji Xtreme Day with FORMULA DRIFT JAPANとして行われ、さらにFDJ2開幕戦が併催されるなど、パワーアップ。多くのギャラリーのなかでの戦いとなり、昨年以上の盛り上がりを見せた。

走るたびにトップが入れ替わる
予選から大激戦となった開幕戦

最高峰のカテゴリーとなるFORMULA DRIFT JAPANへのエントリーは53名。FDJ2からのランクアップ組も多く出走し、楽しみな対戦が増えたのも事実。2020年、2021年と連覇した山下広一や、今年はマクドナルドのハッピーセットに登場したJZA80スープラのカラーリングで出走する2022年度シリーズチャンピオンの松山北斗など、実力者も勢ぞろいした開幕戦となった。

単走予選は、ライン35ポイント、アングル35ポイント、スタイル30ポイントの計100ポイントで予選突破の32枠を競う。練習日から天気も良く、終始ドライ路面で行われ。多くの観客を集めた開幕戦となった。

予選1本目、最初に83ポイントの高得点を獲得したのは、ジェイク ジョーンズ(RBM3)。それを追うようにポップ(F22)も83ポイントを獲得。しかし今年もレッドブルカラーのGRカローラで参戦の箕輪大也が87ポイントを出し、トップに立つ。しかし斎藤太吾(A90)が93ポイントを叩き出した。富士スピードウェイで3連勝中の高橋和己(E92)も90ポイントを獲得して2位につけるなど、1本目からかなりハードな戦いとなった。

2本目、3番手に下がった箕輪大也が89ポイントで自己ベストを更新。ミンミン(GR86)も89ポイント、小橋正典(A90)も88ポイントと高得点を獲得するも、斎藤太吾の得点には追い付けない。その斎藤太吾の2本目は84ポイントと、伸ばすことはできなかったが、単走優勝は確実かと思われた。しかしこれで終わらないのがFORMULA DRIFT JAPAN。1本目に84ポイントだったユキオ ファストが斎藤太吾の得点を2ポイント上回る95ポイントを出し、ここでトップが入れ替わった。高橋和己も激しい走りで94ポイントを獲得するも、トップには及ばず。単走優勝はユキオ ファストが獲得した。2位は高橋和己、3位は斎藤太吾、4位は2本目に91ポイントを獲得した松山北斗(A90)、5位は89ポイントの箕輪大也となった。

予選通過のボーダーラインは73ポイントだが、73ポイントは冨手和行(JZX100)、金田義健(GRヤリス)、シアム ベンジャミン(JZA80)、雨谷雄一(S15)の4名が獲得。セカンドベストで72ポイントを獲得した冨手和行が32位となり、残り3名は悔しい予選敗退となった。

予選上位組が敗れていく
大波乱の追走トーナメント

決勝トーナメントは、予選上位が勝ち上がっていくことがほとんどだが、16対戦中半数の8対戦が下位ランキングの勝ちとなる展開。ランキング一桁台の予選4位・松山北斗と予選9位・草場佑介(GR86)がトップ32で敗退となった。

注目はトップ32で、草場佑介をワンモアタイムの末に倒した大湯都史樹だ。予選でも豪快な走りをみせて予選24位で通過した。トップ16では山下広一(E92)に敗れはしたものの、この対戦もワンモアタイムに持ち込むなど、しっかり存在感をアピールした。

予選1位のユキオ ファストは、トップ32で予選32位の冨手和行を倒すが、トップ16で対戦したジェイク ジョーンズに敗退。ジェイク ジョーンズは予選17位だが、トップ32で予選16位のポップを倒すなど、大波乱を演出した。しかしグレイト8で山下広一と対戦し、ここで敗退。6位で終了した。
話題のドライバーを倒してファイナル4に進出した山下広一は、堀野仁(GR86)、山中真生(A90)、RYUMA(JZX100)を倒し勝ち上がってきた箕輪大也と対戦。この戦いはワンモアタイムとなり、箕輪大也が勝利した。
富士スピードウェイラウンド4連勝に挑む高橋和己は、ファイナル4まで勝ち上がる。トップ16で斎藤太吾を倒し、調子を上げてきたケングシもファイナル4に進出。ここで高橋和己との対戦となった。高橋和己先行の1本目、どちらも引かない迫力のドリフトをみせる。ケングシ先行の2本目、後追いの高橋和己がミスを出す。これが決め手となり、ケングシがファイナル進出を果たした。

ファイナルは箕輪大也対ケングシ。フォーミュラドリフトUSAにも参戦中のふたりの勝負となった。箕輪大也先行の1本目、後追いのケングシはピッタリと箕輪大也のマシンに合わせていく。ケングシ先行の2本目、後追いの箕輪大也もややラインは小さくなるも、車間距離を詰めた迫力あるドリフトをみせた。歴史に残る名勝負となったファイナルは、ケングシの優勝で終わった。ケングシはFORMULA DRIFT JAPAN4年目の開幕戦で、嬉しい初優勝を決めた。第2戦は、5月24~25日に鈴鹿ツインサーキットで開催される。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 優勝
ケン グシ(IS500)
予選19位からファイナルに進出し、終始見事なドリフトで初優勝を獲得。4年目の今年、シリーズチャンピオンも見えてきた。

FORMULA DRIFT JAPAN初優勝を決めた、ケングシ。

仮表彰。優勝のケングシ(中央)、2位の箕輪大也(左)、3位の高橋和己(右)。

優勝のケングシとチーム関係者。

2位の箕輪大也とチーム関係者。

3位の高橋和己とチーム関係者。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 2位
箕輪大也(GRカローラ)
予選5位からファイナルに進出。優勝こそ逃したが、見事は不ドリフトファイトに、多くのギャラリーを沸かせてくれた。

メインステージで行われた表彰式。

95ポイントの高得点で単走優勝のユキオ ファスト。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 3位
髙橋和己(E92)
富士スピードウェイでは3連勝中と、絶対的強さを見せていたが、今回は予選2位からファイナル4に進出し、優勝したケングシの前に敗退。3位に終わった。それでも表彰台をキープした強さを見せつけた。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 4位
山下広一(E92)
予選8位からファイナル4に進出。ワンモアタイムの末に箕輪大也に敗れたが、最年長レジェンドドライバーの強さはまだまだ健在だ。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 5位
小橋正典(A90)
予選7位を獲得し、グレイト8に進出。グレイト8の1本目でリム落ちして敗退となった。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 6位
ジェイク ジョーンズ(RBM3)
予選から勢いある走りをみせて、17位で決勝トーナメントに進出し、グレイト8まで勝ち進めた。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 7位
RYOUMA(JZX100)
予選20位で通過し。グレイト8で2位の箕輪大也と対戦した。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 8位
張 盛鈞(E92)
予選22位からグレイト8に進出。益山 航(GR86)、ミンミン(GR86)を倒してグレイト8に進出した。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 9位
ユキオ ファスト(S15)
迫力ある走りで95ポイントを獲得し、単走優勝に輝く。トップ16でジェイク ジョーンズに敗退し、9位に終わった。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 10位
斎藤太吾(A90)
予選では1本目に93ポイントを出し、3位で決勝トーナメントへ。トップ16でケングシに敗れ10位に終わった。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 11位
ミンミン(GR86)
予選6位を獲得し、トップ16進出を果たした。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 12位
濵田清文(JZX100)
今年からFORMULA DRIFT JAPANに参戦。予選15位で通過し、トップ16に進出した。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 13位
山中真生(A90)
予選21位と苦しんだが、予選12位の松井有紀夫に勝利しトップ16進出を果たした。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 14位
目黒 雄大(JZX100)
予選23位で通過し、トップ32は不戦勝でトップ16に勝ち上がった。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 15位
大湯 都史樹(GR86)
初参戦ながら予選24位で通過し、トップ32で予選9位の草場佑介を倒してトップ16入りを果たす。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 16位
夏 昌浩(S15)
予選29位で通過し、トップ32では予選4位の松山北斗を倒してトップ16に進出した。

キッズウォークの後に行われた、トップ16セレモニー。

トップ32表彰式。

Photo:NOBUTOSHI KANEKO(金子信敏)