2024 FD JAPAN Rd4 SUGO レポート&リザルト

スポーツランドSUGOで魅せた
ド迫力の全開ドリフト!!

FORMULA DRIFT JAPANも後半戦に突入。第4戦は宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。ホームストレートから3コーナーまでを使用し、1コーナーから全開でコーナーを抜けていく。コーナーに入り車体を横にスライドさせながらの全開走行は、まさに『ドリフト!』の迫力ある走りが期待できる。

今回のFORMULA DRIFT JAPANはFDJ2と併催され、さらにFMX SHOWCASEなど「MOTOR GAMES」のなかで3日間行われた。天気は晴れ時々曇りで、終始ドライ路面での大会となった。

誰が単走チャンプを手にするのか!?
予選から白熱した戦いが続いた

FORMULA DRIFT JAPANは3戦を終了し、今大会が4戦目となる。これまで毎回優勝者が変わる展開だが、常に表彰台をゲットしている山下広一(BMW E92)が、第3戦を終了した時点で2位に59ポイント差を付け、トップに立つ。2位は開幕戦で優勝した髙橋和己(BMW E92)、確実にポイントを積み重ねる山中真生(A90)が3位、4位はケングシ(IS500)と続く。ここまではトップに100ポイント以内の圏内におり、まだまだシリーズの行方は分からない。そんななかで行われたスポーツランドSUGOも好バトルの連続だった。

予選でもアクセル全開から繰り出させる白煙上がりまくりのドリフトに観客も大興奮した2日間となった。

予選1本目で高得点を獲得したのは、日比野哲也(RZ34)。角度ある進入から一気に審査コーナーをドリフトで駆け抜け、88ポイントでトップに立つ。1本目は79ポイントと、減点等で得点が伸びなかった齋藤太吾(SXE10)だが、2本目に勢いあるドリフトで93ポイントを獲得し、日比野哲也を抜き去り、トップに。この齋藤太吾の得点を抜くのはかなり厳しいだろうと思われた。しかし日比野哲也の2本目、それを上回る95ポイントを獲得。ラインは齋藤太吾と同点となる33ポイント、スタイルも28ポイントで同点だったが、アングルは齋藤太吾の32ポイントを2ポイント上回った34ポイントを出して、見事単走優勝を決めた。さすが「ミスターパキン」、負けられない戦いを自身の走りで見事制した。

高得点が連発した予選は、1位が日比野哲也の95ポイント、2位が齋藤太吾の93ポイント、3位は松山北斗(GR86)の91ポイントで、上位3名が90ポイント越えの得点を獲得した形で終了した。

全開ドリフトバトルを制したのは
予選25位の張盛釣!

予選から激しい戦いが繰り広げられた、スポーツランドSUGOラウンド。決勝トーナメントに入ってからも見応えあるバトルが続き、さらには大波乱の連続となった。

予選1位の日比野哲也はトップ32を勝ち上がり、トップ16で予選17位の中村直樹(GR86)と対戦。どちらも一歩も引かぬ走りを繰り出したが、ここは中村直樹が勝ち上がる。日比野哲也を倒した中村直樹は、グレイト8でユキオ ファスト(S15)、麻植隆太郎(FD3S)を破り、大躍進を続ける予選25位の張盛釣(BMW E92)と対戦。覚醒したかのような豪快な走りを見せ続ける張盛釣は、中村直樹相手にワンモアタイムに持ち込む。そのワンモアタイムで中村直樹を倒してファイナル4進出を果たす大金星を得た。

予選4位のケングシは、田中友紀(JZX100)、予選20位から絶好調の走りを見せた中国の女性ドライバー高 璇(PS13)、さらに予選5位の髙橋和己を破り、ファイナル4進出を果たした。

予選2位の齋藤太吾は、トップ32は不戦勝で勝ち上がり、トップ16で植村真一(JZX100)を倒してグレイト8進出を果たす。グレイト8では金田義健(GRヤリス)相手にトップ16で2度のワンモアタイムを制して勝ち上がってきたシリーズランキングトップの山下広一と対戦。しかし勢いに乗る齋藤太吾は、この山下広一も倒してファイナル4進出を決めた。

予選4位の松山北斗は、豪快な走りを見せるもミスを出してトップ32で姿を消す。前大会で優勝し、今大会も予選6位のKANTA(RZ34)は、朱元路(BMW E92)、山中真生(A90)を倒した予選22位の草場佑介(GR86)、予選14位のエスチャナポンを倒して、ファイナル4に進出した。

ファイナル4の1組目は、ケングシ対張盛釣。この戦いはワンモアタイムになり、勝ち上がるたびに勢いを増す張盛釣がケングシを倒してファイナル進出を果たした。ファイナル4の2組目は、齋藤太吾 対 KANTA。こちらもワンモアタイムとなり、齋藤太吾が制してファイナルに駒を進めた。

ファイナルは齋藤太吾 対 張盛釣。この戦いも見応えある迫力のドリフトで見事な追走を見せる。齋藤太吾相手にスピードあるドリフトで攻めた張盛釣が制し、初優勝を飾った。

今年まだ予選通過がない張盛釣は、シミュレーターで練習して今回の大会に挑んだという。これまでの悔しい結果を跳ね返す、見事な優勝だった。

シリーズランキングは、山下広一が305ポイントでトップを守り、2位の髙橋和己との差は、59ポイントと変わらず。3位にケングシが上がり、4位にKANTA、山中真生は5位に後退した。3位以下がやや離された形となったが、TMS RACING TEAM GOODRIDEが1位2位を守る。今回優勝した張盛釣もTMS RACING TEAM GOODRIDE。今年、TMS RACING TEAM GOODRIDEの勢いを止めるのは、どのチームになるのか、それともこのまま止まらずに突き進むのか、残り2戦も目が離せない戦いになることは間違いないだろう。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 優勝
張盛釣(BMW E92)
今年から参戦している中国(台湾)のドライバー。今回はスポーツランドSUGOのコースをシミュレーターで練習しつくしてのチャレンジとなった。予選こそ25位だったが、追走での決勝トーナメントに入ってから、目の覚めるようなドリフトを連発し、見事優勝に輝いた。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 2位
齋藤太吾(SXE10)
練習から気迫ある走りを見せ、予選2位からファイナルに進出。ファイナルでは僅かな差で敗れはしたものの、これまでFORMULA DRIFT JAPANでは勝ち切れない戦いが続いていたが、さすがその実力を感じさせた1戦となった。

優勝した張盛釣(中央)、2位の齋藤太吾(左)、3位のケングシ(右)。

優勝した張盛釣とTMS RACING TEAM GOODRIDE。

仮表彰での2位 齋藤太吾。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 3位
ケングシ(IS500)
第2戦の鈴鹿ツインでは2位を獲得するも、悲願の優勝にはあと一歩届かない戦いが続く。今回もファイナル4で敗れはしたものの3位と、表彰台をゲットした。

3位のケングシとTeam kazama with Moty’sの代表・風間氏。

キッズウォークも行われた、トップ16セレモニー。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 4位
KANTA(RZ34)
前戦のエビス西で優勝したKANTAは、予選6位から決勝トーナメントに挑み、ファイナル4に進出。齋藤太吾に敗れたが、存在感ある走りを見せつけた。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 5位
高橋和己(BMW E92)
同チームの山下広一との差を縮めるべく挑み、予選5位からグレイト8進出を果たす。グレイト8でケングシに敗れ5位となったが、山下広一との差は変わらず59ポイントで堪えた形だ。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 6位
山下広一(BMW E92)
予選7位からグレイト8進出。トップ16では金田義健に2度のワンモアタイムをし、激戦を勝ち抜くも、グレイト8で斎藤太吾に敗退。しかしシリーズランキング1位はキープ。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 7位
エス チャナポン(S15)
予選14位で決勝トーナメントに進出し、齋藤育生、目黒雄大を破り。グレイト8まで勝ち進む。KANTAに敗れるも7位を獲得した。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 8位
中村直樹(GR86)
予選は17位で通過。トップ32では小橋正典、トップ16では日比野哲也と、強敵を倒しグレイト8に勝ち進むもワンモアタイムの末、張盛釣に敗退した。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 9位
日比野哲也(RZ34)
単走では見事な走りでトップを獲得。トップ16で中村直樹に敗れるも、今大会では存在感を十分にアピール。今後の活躍に期待大だ。

95ポイントを獲得し、単走優勝に輝いた、日比野哲也。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 10位
麻植隆太郎(FD3S)
予選9位からトップ16に進出。張盛釣に敗れ、10位に終わるも今後の活躍に繋がる走りを見せてくれた。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 11位
植村真一(JZX100)
予選15位からトップ16進出を果たし、齋藤太吾に敗れ11位。キレイな走りが印象的だった。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 12位
高 璇(PS13)
昨年FDJ2で活躍し、今年からFORMULA DRIFT JAPANに昇格。これまでFDJ2で魅せていた迫力ある走りを欠いていた印象を受けていたが、今大会で復活ともいえる豪快なドリフトを披露。予選20位からトップ16進出を果たした。

トップ16セレモニーで、笑顔で挨拶する高 璇。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 13位
ポップ(GR86)
予選21位からトップ16に進出。髙橋和己に敗れ13位も、攻めた走りは見事だった。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 14位
草場佑介(GR86)
好調の山中真生をトップ32で下し、トップ16に勝ち上がる。トップ16ではKANTAに敗れ14位となった。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 15位
金田義健(GRヤリス)
予選23位で決勝トーナメントに進出。トップ16ではワンモアタイム2回を含む3戦、山下広一と対戦。過酷な死闘を演じてくれた。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 16位
目黒雄大(JZX100)
予選30位からトップ32で松山北斗を撃破し、トップ16進出を果たす。トップ16でエスチャナポンに敗れたが、16位獲得はお見事だった。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 表彰式。

FORMULA DRIFT JAPAN Round.4 トップ32表彰式。

Photo:NOBUTOSHI KANEKO(金子信敏)
FORMULA DRIFT JAPAN事務局