2024 FD JAPAN Rd01 富士 レポート&リザルト

2年連続WRCチャンピオンが今年も参戦
フォーミュラDジャパン2024が富士スピードウェイで開幕!

日本上陸11年目、そして10年目のシーズンに突入した、フォーミュラDジャパン。2023年シリーズチャンピオンのKANTAを筆頭に、昨年から参戦してきた2年連続WRC王者のカッレ・ロバンペラ、スーパーGT500で活躍中の大嶋和也も初参戦するなど、話題が多い。さらに今年の開幕戦決勝は富士スピードウェイが主催するFuji Xtreme Day with FORMULA DRIFT JAPANとして行われ、オリドパラダイス、ルミライズなど、Xtremeがサーキット内各所で体感できるイベントとなった。

1本目から高得点続出
大激戦となった予選

最高峰のカテゴリーとなるフォーミュラDジャパンへのエントリーは52名。まだ発表されていないTBNが2名や、今年から復帰した齋藤太吾が前日練習でマシントラブルに見舞われ、リタイアするなど、予選に参戦したのは45台となった。

今年から単走予選ポイントが変更。ライン35ポイント、アングル35ポイント、スタイル30ポイントの計100ポイントとなった。朝イチの練習走行時は昨日までの雨の影響が残る路面だったが、予選がスタートするときは白煙が上がる迫力あるドリフトが見られるドライ路面で行われた。ドリフト予選1本から塙彰拡(Z4)が89ポイントを獲得するなど、序盤から高得点が続出する。35番手でスタートしたカッレ・ロバンペラ(GRカローラ)は、80ポイント後半の得点を一掃する92ポイントを叩き出した。しかしこれで収まらない。昨年シリーズ4位の小橋正典(A90)がさらに2ポイント上回る94ポイントを獲得して一気にトップに立つ。

2本目には1本目79ポイントだった真野修一(S13)が92ポイントを出し、現在2位のカッレ・ロバンペラに並ぶ。そうなると黙っていられないカッレ・ロバンペラ。2本目にはライン満点を含む96ポイントを獲得して、再びトップを奪い返す。これで単走優勝はカッレ・ロバンペラのものだと誰もが思っただろう。しかし今年からGRヤリスからGR86に乗り換えた昨年シリーズ2位の中学生ドライバー、箕輪大也(GR86)がカッレ・ロバンペラ同様ライン満点の35ポイント、アングル34ポイント、スタイル29ポイントの98ポイントを獲得し、見事単走優勝に輝き、存在感をアピールした。2位は96ポイントのカッレ・ロバンペラ、3位は小橋正典が入った。

大波乱の追走で最終的に強かったのは富士ラウンド3連覇を達成した髙橋和己

決勝トーナメントは、トップ32から大波乱となった。ほぼ満点の98ポイントで予選1位を獲得した箕輪大也は、予選32位のポップ(GR86)と対戦。1本目見事な追走を見せるも後追いとなる2本目、スピードあるポップの走りに少し離され、ゾーン2付近で大きなミスを出し、ここで敗退となり早くも姿を消す。

予選2位通過のカッレ・ロバンペラは、トップ32では予選31位の朱元路(E92)を破りトップ16入りを果たすも、トップ16で対戦した同じチーム(CUSCO Racing)の予選15位の草場佑介(GR86)に敗れてしまった。草場佑介はトップ32でも同チームの松山北斗(A90)を倒して勝ち上がっており、CUSCO Racingのエースとして意地を果たした。
グレイト8では、箕輪大也を破ったポップを倒した予選17位の髙橋和己(E92)がワンモアタイムの末、予選8位の日比野哲也(Z34)を破ってファイナル4進出を決める。予選4位の山下広一(E92)は、2度のワンモアタイムを制してトップ16に勝ち上がった予選20位RYUMA(JZX100)を倒すと、練習から好印象の走りを連発していた予選5位のユキオファスト(S15)を2度のワンモアタイムの末、ファイナル4進出を果たした。

トップ16でカッレ・ロバンペラを破った草場佑介は、グレイト8で予選7位のエスチャナポン(S15)と対戦。しかしここはエス・チャナポンが勝ち上がり、ここで敗退となった。予選3位の小橋正典は、予選30位のシェンニアン、予選14位のケン・グシ(S500F)、予選27位の齋藤育生を倒してファイナル4へ進出した。

ファイナル4では山下広一と高橋和己の同チーム(TMS RACING TEAM GOODRIDE)対決となるが、ここは高橋和己が富士スピードウェイでの勝負強さを見せてファイナルへ駒を進める。小橋正典対エス・チャナポンは、1本目に先行を走る小橋正典に後追いのエス・チャナポンがゾーン2付近で接触。マシンが宙を舞うほどのクラッシュとなり、エス・チャナポンは5分間のコンペティションタイムアウトを使うもリタイア。小橋正典がファイナル進出を果たす。

ファイナルは、予選3位の小橋正典と予選17位ながら富士スピードウェイラウンド連覇中の髙橋和己。1本目両者ともにファイナルに相応しい走りを披露。しかし2本目、後追いの小橋正典がやや離されるシーンもあり、ここで勝負がついた。優勝したのは高橋和己。これで富士スピードウェイでのラウンド3連覇を達成した。2位の小橋正典もファイナル4でのクラッシュを感じさせぬ見事な走りだった。

 

 

 

フォーミュラDジャパン Round.1 優勝
髙橋和己(BMW-E92)
ファイナルは予選3位の小橋正典対予選17位の髙橋和己。富士スピードウェイでは絶対の強さを見せる髙橋和己が、富士スピードウェイ3連覇で開幕戦を優勝した。

 

フォーミュラDジャパン Round.1 2位
小橋正典(A90 スープラ)
予選3位で通過し、追走でも勝負強を見せたが、ファイナル4ではエス・チャナポンがクラッシュ。小橋正典のマシンも修復作業をしてファイナルに挑むも後追いでミスを出し2位となった。

 

優勝した髙橋和己(中央))、2位の小橋正典(左)、3位の山下広一(右)。

 

表彰式はパドックに用意されたステージトラックで行われた。

 

優勝の髙橋和己と3位の山下広一。

 


2位の小橋正典

 


フォーミュラDジャパン Round.1 3位
山下広一(BMW E92)
予選4位から決勝トーナメントに入ってからも順調に勝ち進み、対ユキオ・ファスト戦では2度のワンモアタイムを制して勝ち上がる。ファイナル4では同チームの髙橋和己に敗れるも3位を獲得。

 


フォーミュラDジャパン Round.1 4位
エス・チャナポン(S15 シルビア)
予選7位から松井有紀夫、益山  航、草場佑介と、ベテランドライバーを破ってファイナル4進出を果たす。ファイナル4ではクラッシュとなるも4位を獲得した。

 

フォーミュラDジャパン Round.1 5位
ユキオ・ファスト(S15 シルビア)
今年はカラーリングも一新し、ダイナミックな走りと大声援を武器に、予選5位から勝ち進む。グレイト8で山下広一に2度のワンモアタイムの末敗れるも、記憶に残る好バトルを見せてくれた。

 


フォーミュラDジャパン Round.1 6位
日比野哲也(エヴァRT初号機 GOODRIDE フェアレディZ)
角度あるドリフトで予選8位を獲得し、グレイト8まで勝ち進む。髙橋和己相手にワンモアタイムまで詰め寄るもあと一歩及ばず6位で終了した。

 


昨年の第2戦で優勝、最終戦で2位のカッレ・ロバンペラ相手にトップ16で勝利した草場佑介。しかしグレイト8でエス・チャナポンに敗れ7位。

 


予選27位からグレイト8まで勝ち上がり小橋正典と対戦。敗れはしたものの、8位を獲得した齋藤育生。

 

予選2位を獲得し、今回も断然の優勝候補だった、カッレ・ロバンペラだったが、トップ16で草場佑介に敗れ、9位に終わった。

 


トップ16セレモニーでのカッレ・ロバンペラ(右)と、トップ16対戦相手の草場佑介(左)。

 

6日(土)の予選では驚愕の98ポイントを出し、単走優勝した箕輪大也。

 

トップ16セレモニーは、キッズウォークに参加した子供たちも見守るなかで行われた。

 


フォーミュラDジャパン最終戦、トップ32表彰式。

Photo:NOBUTOSHI KANEKO(金子信敏)