2024 FDJ2 Rd4 日光 レポート&リザルト

灼熱の日光決戦!
大波乱の第4戦を制したのは現役高校生ドライバー!!

FORMULA DRIFT JAPANも折り返し地点となる第4戦が、栃木県の日光サーキットで開催。今年の夏は7月から異常なほどの暑さとなっているが、FDJ2第4戦も灼熱の太陽の日差しが降りそそぐ。

日光サーキットという会場の関係上、駐車場は前売りのみとなり、実質的に入場制限された形で行われたが、今年人気がヒートアップしているFDJ2らしく多くのギャラリーが来場。日光サーキットは満員御礼のなかで大激戦が繰り広げられた。

40台のドリフトマシンが
頂点を目指して2本の単走にトライした!!

関東屈指のドリフトコースと名高い日光サーキット。長い歴史のなかで、多くの名選手を生み出してきたコース。そんなコースをFDJ2では独自にアレンジ。2コーナー手前のショートカットを使い、そこから大きくUターンするような形のレイアウトで行われ、4つのアウトゾーンが用意された超テクニカルコースだ。

今回の第4戦には40台がエントリー。予選通過は32台、8台が予選落ちというなかで行われた。ゾーン3から4にかけてはかなりライン取りが難しく、予選1本目序盤では得点を伸ばせない選手が多かった。そんななか11番手で登場したリー ケビン(JZX100)が83ポイントをマークしてトップに立つ。

第1戦以来の参戦となった箕輪昌世(JZX100)がキッチリとラインを取った走りで、90ポイントを獲得し、一気に他を引き離す。その後も水井大揮(S15)と石塚進一(R33)が80ポイント、出口公信(S15)と青木竜介(JZX100)と与座ハリー(HCR32)が81ポイント、Mr.ダニエル(S15)が83ポイントと80ポイントを越えてくるも、箕輪昌世の90ポイントには及ばない。

2本目、今回初参戦で1本目は0ポイントの稲岡拓也(RPS13)が80ポイントを出し、冨手和行(JZX100)も78ポイントから80ポイントと伸ばし、予選突破のボーダーラインも引き上がっていく。単走で常に上位にランクインしてくる水野俊彦(S15)が83ポイント、長瀬幸治(IS350C)が80ポイントと、2本目にポイントを上げてくるも、箕輪昌世の90ポイントには届かず、そのまま箕輪昌世が単走優勝を飾った。なお、予選通過のボーダーラインは64ポイントで、高野康夫(RPS13)が32位で予選通過を果たした。

単走13位ながら強敵を次々に撃破
川瀬羚也がうれしい初優勝!

予選の翌日に行われたトップ32決勝トーナメント。予選日同様気温が高く、ドライ路面での戦いとなった。

予選1位通過の箕輪昌世は、予選32位の高野康夫、予選16位の山下和孝(RPS13)を破りグレイト8進出を果たす。しかしトップ32、トップ16ともにワンモアタイムを制して勝ち上がってきた冨手和行が箕輪昌世を倒して、ファイナル4に勝ち上がる。

予選2位のリーケビンはトップ32で予選31位の片山翔一(JZX100)を倒しトップ16進出を果たすも、トップ32でラーマンラセル(JZX100)を倒して勝ち上がってきた、予選18位のセナ(JZX100)に敗れてしまう。セナはグレイト8で、シリーズランキングトップで予選7位の与座ハリーにワンモアタイムの激戦を制して勝ち上がってきた予選10位の長瀬幸治に敗れるも、今後の活躍を期待させる価値のある大会となった。

予選3位の水野俊彦はトップ32で予選30位の杉崎裕斗を倒してトップ16に勝ち上がるが、トップ16で対戦した予選14位の杏仁さん(S15)にワンモアタイムの末、敗れて姿を消す。勢いに乗る杏仁さんだったが、グレイト8では予選11位の飯塚進一に敗れてしまう。

予選4位のMr.ダニエルは、トップ16で予選13位の川瀬羚也(S14)に敗れてしまう。このラウンドではこれまでシリーズランキング1位と2位がトップ16で敗退し、さらにグレイト8で予選1~7位まで姿と消すという大波乱となった。

ファイナル4の1組目、冨手和行 対 川瀬羚也。今年FDJ3から昇格してきた2名の対決だ。勢いある川瀬羚也は、終始乱れの少ない走りで安定ある走りの冨手和行を抑え、ファイナル進出を果たす。もう1組はそろそろ優勝が欲しい長瀬幸治と日光サーキットを得意とする石塚進一の戦い。ここは長瀬幸治の貫禄ある走りでファイナル進出を決めた。

ファイナルは現役高校生ドライバーの川瀬羚也 対 FORMULA DRIFT JAPANを走っていた長瀬幸治。どちらも譲らぬ見事な走りを見せたが、迫力ある走りを披露した川瀬羚也が嬉しい初優勝を決めた。

これで面白くなってきたのが、シリーズチャンピオン争い。第1戦、第2戦と連勝した与座ハリーが315ポイントでトップ。しかし2戦連続2位の長瀬幸治が43ポイント差の2位に付け、3位はワンランクダウンとなった231ポイントのMr.ダニエル。さらに今回優勝した川瀬羚也が209ポイントで4位に上がり、一気にシリーズチャンピオンを狙える位置まで押し上げてきた。残り2戦、特に次戦がシリーズを狙う上で重要になってきたのはいうまでもない。

今年2勝の与座ハリーが踏ん張るか、FORMULA DRIFT JAPANを走っていた長瀬幸治が意地をみせるか、Mr.ダニエルが勢いを取り戻すか、それとも高校生ドライバーが一気に頂点に立つか、楽しみな第5戦は、8月31日~9月1日の2日間、奥伊吹モーターパークで行われる。

 

FDJ2 Round.4 優勝
川瀬羚也(S14)
予選は13位だったが、練習走行から勢いのあるラインをきっちり取った走りを連発していた。追走トーナメントに入ってからも乱れることなく最後まで走り抜き、シリーズランキングも4位に浮上した。

コース上での仮表彰式で、優勝の発表のあと両手を上げて声援に応える、川瀬羚也。

FDJ2 Round.4 2位
長瀬幸治(IC350C)
予選10位から2戦連続となる2位を獲得。優勝まであと一歩の戦いは続くが、シリーズランキングも2位に上げ、残り2戦に優勝への希望をつなぐ。

FDJ2 Round.4 3位
冨手和行(JZX100)
今年FDJ3から昇格し、表彰台となる3位を獲得。予選も8位と実力をつけ、今後の活躍に期待が持てる。シリーズランキングも9位に浮上。

ステージトラックで行われた表彰式。優勝した川瀬羚也(中央)、2位の長瀬幸治(左)、3位の冨手和行(右)。

コース上で行われた仮表彰式。左から2位長瀬幸治、1位川瀬羚也、3位冨手和行。

トップ16表彰式。

トップ16セレモニー

トップ16セレモニー

FDJ2 Round.4 4位
石塚進一(R33)
これまで苦しい戦いが続いていたが、ホームコースに日光で不ファイナル4進出を果たし、その実力を実証した。現在のシリーズランキングは5位。

FDJ2 Round.4 5位
箕輪昌世(JZX100)
開幕戦以来のエントリーとなったが、単走優勝を果たした。2戦のみでシリーズランキング12位は立派。

単走1本目で90ポイント獲得した走り。

単走優勝し、チーム全員で表彰台での記念撮影。右から、現在アメリカのフォーミュラドリフトで活躍する箕輪大也、単走優勝の箕輪昌世、これまでFORMULA DRIFT JAPAN等で活躍してきた箕輪慎治、メカニックの小川さん。

FDJ2 Round.4 6位
杏仁さん(S15)
トップ32とトップ16でワンモアタイムを制してグレイト8進出を果たす。飯塚進一に敗れはしたものの、記憶に残る走りを見せてくれた。シリーズランキングも16位に上がった。

FDJ2 Round.4 7位
セナ(JZX100)
なかなか成績が残せない戦いが続いていたが、第4戦ではグレイト8進出を果たした。シリーズランキングも18位まで急浮上した。

FDJ2 Round.4 8位
ラバー博士(S14)
第2戦のエビス西ラウンドでは2位と大活躍を見せるも、第3戦は予選敗退。今回はグレイト8まで勝ち上がる活躍を見せて、シリーズランキングも11位に。

FDJ2 Round.4 9位
リーケビン(JZX100)
予選でみせた勢いある走りは、83ポイントを獲得し、2位で通過。決勝トーナメントではトップ16で敗退するも今後につながる走りを見せてくれた。

FDJ2 Round.4 10位
水野俊彦(S15)
常に予選では好成績を残し、今回も83ポイントで3位を獲得(2位とは同ポイントだったが、セカンドスコア1ポイント差で3位となった)。追走では勝ち切れぬ戦いが続くも、いつでも勝てる力は感じさせるドライバー。シリーズランキングは6位。

FDJ2 Round.4 11位
Mr.ダニエル(S15)
第3戦のスポーツランドSUGOでは、豪快な走りで優勝を決めたが、今回は予選4位を獲得するトップ16で敗退。シリーズランキングも3位に後退。

FDJ2 Round.4 12位
出口公信(S15)
予選6位からトップ16に進出。予選11位の石塚進一に敗れたが、12位を獲得。シリーズランキングは15位。

FDJ2 Round.4 13位
与座ハリー(HCR32)
シリーズランキングトップを独走するも、今回は予選7位からトップ16で敗退。シリーズランキングは2位との差が縮まるも、まだまだ1位をキープする。

FDJ2 Round.4 14位
水井大揮(S15)
予選9位を獲得し、トップ16進出を果たす。なかなか良い走りを見せていたがトップ16では冨手和行相手に、ワンモアタイムまでもつれ込む。最後は敗退となったが、存在感ある走りをみせてくれた。

FDJ2 Round.4 15位
稲岡拓也(RPS13)
今回初エントリーで、予選1本目は0ポイントとなったが、2本目に80ポイントを獲得して予選を12位で突破。トップ16でラバー博士に敗退し、15位となった。

FDJ2 Round.4 16位
山下和孝(RPS13)
予選16位を獲得し、決勝トーナメントでもトップ16進出を果たす。トップ16ではスタート前ギリギリまでマシントラブルに悩まされ作業し、コースするも、箕輪昌世に敗退となった。

Photo:NOBUTOSHI KANEKO(金子信敏)