シリーズチャンピオンを狙う長瀬幸治が
ついにトップに立つ!
9月21日(土)~22日(日)に開催予定だった第5戦(奥伊吹モーターパーク)が、台風の影響で延期となり、先に岡山国際サーキットでの第6戦が行われた。この第6戦は、第3戦のスポーツランドSUGOラウンド同様、MOTOR GAMESのなかでの開催となった。10月4日(金)に予選、5日(土)に決勝が行われ、予選前の練習走行と予選1本目がハードなウエット路面となり、予選2本目からほぼドライというかなり難しい状況下での戦いとなった。
予選通過は16台!
第3戦同様厳しい戦いとなった予選
第6戦の舞台は、岡山国際サーキット。 審査コーナーはFORMULA DRIFT JAPAN同様、ホームストレートにスタート地点が置かれ、アウトゾーン1、タッチアンドゴー、アウトゾーン2、ショートカットコースのアウトゾーン3、インクリップ、そしてフィニッシュというコースレイアウト。FORMULA DRIFT JAPANでは例年この特別コースで行われており、このコースレイアウトで走れるのはFORMULA DRIFT JAPANだけということもあり、たくさんのギャラリーが集まった。
今回の予選は38台が出走。そのうち予選を通過できるのは16台。22台が予選敗退となる。しかも前日の練習走行でマシンを大破しリタイアが出るなど、かなり厳しいなかでの戦いとなった。
ウエット路面での戦いとなった予選1本目、多くの選手が得点を獲得できずに終わるなか、85ポイントの高得点を出したのは、箕輪昌世(JZX100)だ。安定したラインを取り、角度をつけたその走りは見事だった。そして1本目のラストに登場した与座ハリー(HCR32)も84ポイントをマークして2位に付けた。
ほぼドライ路面となった予選2本目だが、やはり先に走ることになるランキングが低い選手にとってかなり厳しい状況での戦いには変わりはなかった。1本目、2本目ともに0ポイントとなり、予選敗退がその場で決定する者も続出。しかし1本目は0ポイントだった石塚進一(R33)が84ポイントで2位タイに付ける。さらにMr.ダニエルが82ポイントを出し、80ポイントを越えていく。1本目71ポイントだった長瀬幸治(IS350C)の2本目、豪快な走りで87ポイントを獲得。ここでトップに立った。最後に登場した与座ハリーの2本目は1本目の得点を伸ばすことができず83ポイントとなり、長瀬幸治が予選をトップで通過。単走優勝を獲得した。予選2位は1本目に85ポイントを獲得した箕輪昌世、予選3位は84ポイントの与座ハリーが獲得。石塚進一も84ポイントを獲得したが、1本目が0ポイントだったために4位となった。予選通過最終ラインは池本数磨(JZX100)の73ポイント。72ポイントの水井大揮は17位で予選敗退となった。
これまであと一歩足りなかった長瀬幸治が
パーフェクトウィンを飾る!
予選2本目以降、雨は降ることはなく、決勝トーナメントは終始ドライ路面での戦いとなった。
予選1位通過の長瀬幸治は、トップ16で予選16位通過の池本数磨との対戦で苦戦し、ワンモアタイムにもつれ込む。しかしワンモアタイムの対戦で勝利し、グレイト8に勝ち進む。グレイト8では抜群の先行の走りを見せて、予選8位のラバー博士(S14)を倒してグレイト8に勝ち上がった予選9位の杏仁さん(S15)を撃破し、ファイナル4へ進出。
ファイナル4で長瀬幸治が対戦したのは、予選5位のMr.ダニエル。ここでも1回の対決では勝負がつかず、ワンモアタイムに突入。両者ともに一歩も引かぬ見事な走りだったが、ここは予選1位の貫禄を見せた長瀬幸治が勝利。2度目となるワンモアタイムを制して、ファイナル進出を果たした。
開幕戦からシリーズランキング1位をキープする与座ハリーは、予選3位でトップ16入りを果たすも、2本目の後追い走行時にパワステトラブルが発生し、トップ16で姿を消した。
予選2位の箕輪昌世は、トップ16で予選15位のウー ティミー相手にワンモアタイムとなり、ここで敗退となる。箕輪昌世を破ったウー ティミーはグレイト8で、第4戦で優勝した予選7位の川瀬羚也(S14)を破りグレイト8進出を果たした予選10位の片山翔一(JZX100)と対戦。この対決の2本目、ウー ティミーのマシンにトラブルが発生したのか、ここで敗退。グレイト8を勝ち進み、ファイナル4進出を果たした片山翔一。その勢いのまま、ファイナル4で予選14位の冨手和行を倒し、初のファイナルへ向かう。
ファイナルは長瀬幸治 対 片山翔一。終始安定感のある走りで攻め続けた長瀬幸治が、片山翔一を倒し、初優勝を飾った。
残るは延期となった第5戦のみ。第6戦でパーフェクトウィンを達成した長瀬幸治が、ここでシリーズランキングトップに立った。第1戦、第2戦で連勝し、首位をキープし続けた与座ハリーは2位に転落したが、トップとのポイント差は僅か27ポイント。最後の奥伊吹ラウンドまでシリーズチャンピオンの行方は分からない状況となった。さらにシリーズランキング3位のMr.ダニエルはトップに80ポイント差。4位の川瀬羚也は134ポイント差がついており、チャンピオン争いから退いた形だが、川瀬羚也も1勝しているだけに上位3名のチャンピオン争いをさらに面白くしてくれるキーマンとなるかも知れない。今年最後のFDJ2は、10月25日(金)~26日(土)に奥伊吹モーターパークで開催される。
FDJ2 Round.6 優勝
長瀬幸治(IC350C)
第3戦、第4戦で連続2位だった長瀬幸治だが、このラウンドは予選で1位を獲得し、その勢いのまま悲願の優勝を果たした。これでシリーズランキングも1位にランクアップ。最後の1戦でチャンピオンを目指す。
コース上での仮表彰式で、優勝の発表のあと両手を上げて声援に応える、長瀬幸治。右は2位の片山翔一。
FDJ2 Round.6 2位
片山翔一(JZX100)
予選10位から初のファイナル進出を果たし、ファイナルで敗れるも2位を獲得。シリーズランキングも7位に上昇した。
FDJ2 Round.6 3位
Mr.ダニエル(S15)
勢いある走りで、予選5位からファイナル4進出を果たす。優勝した長瀬幸治に敗れ3位となるも、シリーズランキングも3位をキープ。まだ優勝を狙える位置にいる。
ステージトラックで行われた表彰式。優勝した長瀬幸治(中央)、2位の片山翔一(左)、3位のMr.ダニエル(右)。
コース上で行われた仮表彰式。左から2位片山翔一、1位長瀬幸治、3位Mr.ダニエル。
FDJ2 Round.6 4位
冨手和行(JZX100)
今年FDJ3から昇格し、安定した成績を残す。今回も予選14位から決勝トーナメントに勝ち上がり、トップ16では与座ハリーを破り、ファイナル4に進出を果たした。
FDJ2 Round.6 5位
石塚進一(R33)
予選4位でトップ16入りを果たしグレイト8まで勝ち上がる。Mr.ダニエルに敗れて5位となるも、シリーズランキングは5位をキープする。
FDJ2 Round.6 6位
曾 柏然(JZX100)
第2戦と第4戦は不参戦となったが、今回は予選6位からグレイト8進出を果たした。グレイト8では冨手和行相手にワンモアタイムの末、敗退となった。
FDJ2 Round.6 7位
杏仁さん(S15)
予選9位から決勝トーナメントに進出。トップ16では予選8位のラバー博士を倒しグレイト8に進出。グレイト8では優勝した長瀬幸治と対戦し、敗退となった。
FDJ2 Round.6 8位
ウー ティミー(GR86)
予選15位で予選を通過。予選2位の箕輪昌世をワンモアタイムで倒し、グレイト8に進出した。シリーズランキングも20位に上昇した。
FDJ2 Round.6 9位
箕輪昌世(JZX100)
予選1本目では、他選手がウエット路面で得点を伸ばせないなか、85ポイントを獲得した走りは見事だった。
FDJ2 Round.6 10位
与座ハリー(HCR32)
追走では強いイメージの与座ハリーだが、今回は予選3位からトッ16でまさかの敗退。これでシリーズランキングの2位に。残るラウンドはひとつ。今年2勝の実力を発揮して、チャンピオンを目指す。
FDJ2 Round.6 11位
川瀬玲也(S14)
第4戦で優勝した勢いを生かして挑んだラウンドだが、予選7位で通過するもトップ16で敗退。シリーズランキングは4位のままだが、これでチャンピオン獲得の資格は失った。
FDJ2 Round.6 12位
ラバー博士(S14)
予選8でトップ16進出を果たし、トップ16では杏仁さんと対戦し敗退。12位。しかしシリーズランキングは9位に。
FDJ2 Round.6 13位
深田一希(JZX100)
予選11位からトップ16入り。トップ16では曾柏然と対戦。かなり良い先行を見せたが、後追いで戻ってしまい、ここで敗退となった。
FDJ2 Round.6 14位
YEUNG KEN(SXE10)
第2戦、第3戦と不参戦のケンだが、今回は予選12位に入り、決勝トーナメント進出を果たした。シリーズランキングも30位に。
FDJ2 Round.6 15位
中村進太郎(S15)
予選13位からトップ16で石塚進一と対戦。今回は15位だが、開幕戦で2位を獲得した走りで最終戦に挑む。
FDJ2 Round.6 16位
池本数磨(JZX100)
予選16位でトップ16では、予選1位の長瀬幸治と対戦。ワンモアタイムまで持ち込むも敗退。16位で終わった。
Photo:NOBUTOSHI KANEKO(金子信敏)