ハードウエットの路面で魅せた
スーパーテクニック
3年目のFDJ3 第2戦は鈴鹿ツインサーキットで開催。第1戦で活躍したルーキーや巻き返しを図るドライバーが49名登場し、トップを目指す。前日の天気は快晴でドライ路面だったが、第2戦当日は朝から雨が降り続くスーパーウエット路面での戦いとなった。
開幕戦でトラブルに苦しんだ
茂木真那斗が単走で決めた!
ワンメイクタイヤでのドリフト大会として開催中のFDJ3。全選手が「ADVAN APEX (アドバン エイペックス)V601」を装着しての戦いが繰り広げられている。ADVAN APEX V601は、GRカローラRZに純正採用されたスポーツタイヤで、非対称トレッドパターンが特長で、扱いやすいという点で好評のタイヤだ。
第2戦の舞台は、昨年開幕戦が行われた鈴鹿ツインサーキット。審査はFORMULA DRIFT JAPAN、FDJ2同様のレイアウトで、4つのアウトゾーンとタッチアンドゴーによるテクニカルなコース。単走予選は、ライン35ポイント、アングル35ポイント、スタイル30ポイントの計100ポイントで行われた。路面状況はハードなウエット路面。このコースでは2年前のFDJ3の初年度も雨が降り続いたなかで行われ、各選手が苦しんだことが思い出されるが、第1戦でみせた勢いある走りは健在で、最悪な路面状態も吹き飛ばしてくれた。
予選1本目、スピンやミスによって開始から10名がポイントを獲得できないなかで進んでいく。しかし、11番手で登場した佛坂圭人(S14)がすべてのコーナーをクリアし、60ポイントを獲得。嫌な空気を払拭してくれた。その後、オタハラジュニオル(RPS13)が70ポイントでトップに。第1戦では予選落ちを喫した悔しい思いを吹き飛ばす見事な走りだった。1本目で75ポイントを獲得したのは、徳山昇英(PS13)。開幕戦で使用したマシンからシルビアに乗り換えてのチャレンジとなったが、この辞典でトップに立つ。
2本目もポイントを獲得できずにフィニッシュラインを通過するドライバーもいるなか、後半に登場したドライバーはミスを最小限にしてポイントを獲得していく。厳しい路面状況で50~60ポイント台が目立つなか、徳山昇英は2本目も75ポイントを獲得し、トップをキープ。1本目は69ポイントだった茂木真那斗(S14)が2本目で豹変する。アウトゾーンもすべてキレイにクリアする走りで80ポイントを獲得。徳山昇英を抜き去り、トップに立った。第1戦で優勝した飯島優惺(JZX100)と2位の中村龍輝(S15)は、1本目得点を得ることが出来ず、0ポイントで2本目に挑む。中村龍輝は69ポイントを獲得し、5番手で予選を突破したが、飯島優惺は59ポイント(18位)とボーダーラインに届かず。第1戦の覇者が、予選で姿を消した。
予選を1位で通過し単走優勝を獲得したのは、80ポイントの茂木真那斗。2位は75ポイントの徳山昇英、3位は70ポイントのオタハラジュニオルが入った。第1戦ではよもやの予選落ちを喫した箕輪昌世(JZX100)だったが、今回は69ポイントを獲得し、4位で追走トーナメントに挑む。
悪条件の路面での追走でも
接近ドリフトが連発した
第1戦で決勝トーナメントに進出した16名中、第2戦では9名が予選で姿と消すという大波乱(4位の皆川 一茶は不参戦)の予選だったが、追走で行われるトーナメントもハードなものとなった。
予選1位の茂木真那斗は、前回は練習走行中にトラブルを発生した本番カーのS14で参戦。ウエット路面でも乱れない走りで、予選16位のゴマート デヴィット(JZX110)、予選8位の玉谷柊真(JZX100)を倒して、ファイナル4進出を決める。ファイナル4では、予選12位の佛坂圭人、予選4位の箕輪昌世を倒して勝ち上がってきた、予選5位の中村龍輝との対戦となった。このカードは第1戦で対戦しており、そのときは茂木真那斗のマリントラブルにより、中村龍輝が勝利した。今回の茂木真那斗は調子も上げており、見応えあるバトルとなった。車間を詰めた接近ドリフトで迫る中村龍輝に、茂木真那斗はアウトゾーンでのラインと取った走りで応戦する。この勝負、茂木真那斗に軍配が上がり、14歳同士のバトルは1勝1敗のタイに持ち込んだ。
予選2位の徳山昇英は、トップ16で予選15位のリッキーペレス(JZX100)を倒してグレイト8に勝ち進む。グレイト8では、予選7位の尾崎ドグラス(JZX100)と対戦。しかしこの対戦でミスを出して敗退。尾崎ドグラスがファイナル4に進出した。第1戦では予選で姿を消したオタハラジュリオル(RPS13)は、今回は予選を3位で通過し、好調をアピール。決勝トーナメントに入ってからも、予選14位の船橋 竜(Z33)、予選6位の前田 慶(VE86)を倒して、ファイナル4進出を果たす。オタハラ ジュニオル 対 尾崎ドグラスは、角度が浅かったオタハラ ジュリオルを尾崎ドグラスが倒して、ファイナルに進出した。
ファイナルは、茂木真那斗と尾崎ドグラスの対戦となった。これまで大きなミスを出すこともなく、ウエット路面をものともしない走りを続けてきた茂木真那斗だったが、先行の1本目の進入でゼブラに乗せてしまい、ハーフスピン。尾崎ドグラス先行の2本目、茂木真那斗は1本目の接触の影響があったのか、進入でまたもやミスを出してしまった。
ファイナルで勝利したのは、尾崎ドグラス。第1戦では13位に終わったが、ここで大きな1勝を手に入れた。2位は茂木真那斗、3位はタハラジュリオルが獲得した。
第3戦は7月6日(日)に、福島県のエブスサーキット・西コースで行われる。第1戦、第2戦と勝者が変わり、誰もがまだシリーズチャンピオンを狙える、見逃せない1戦となる。
FDJ3 Round.2 優勝
尾崎ドグラス(JZX100)
予選7位を獲得し、予選2位の徳山昇英、予選3位のオタハラジュニオル、さらにファイナルでは予選1位の茂木真那斗も倒しての優勝。今回の勝利は格別なものになることだろう。
表彰式。優勝した尾崎ドグラス(中央)、2位の茂木真那斗(左)、3位のオタハラジュニオル(右)。
ファイナル終了後に審査員席前のコース上で行われた仮表彰。左から、2位の茂木真那斗、優勝の尾崎ダグラス、3位のオタハラジュニオル。
FDJ3 Round.2 2位
茂木真那斗(S14)
マシントラブルで苦戦した第1戦から一変、ウエット路面での強さを見せつけた。
予選2本目で80ポイントを獲得して単走優勝した、茂木真那斗の走り。
FDJ3 Round.2 3位
オタハラジュニオル(RPS13)
昨年までFDJ2で参戦した実力で、予選3位からファイナル4に進出。表彰台をゲットした。
FDJ3.Round.2 4位
中村龍輝(S15)
第1戦では2位を獲得。今回の予選では5位で通過。ファイナル4では惜しくも茂木真那斗に敗れるも、父親譲りの接近ドリフトは見事だった。
FDJ3 Round.2 5位
徳山昇英(PS13)
第1戦はハコスカで参戦したが、マシン不調のため今回はシルビアでの参戦となった。予選2位を獲得し、グレイト8進出を果たした。
FDJ3 Round.2 6位
箕輪昌世(JZX100)
ウエット路面でも安定した上手さをみせて、予選を4位で通過。グレイト8で中村龍輝に敗れるも、復調を感じさせる走りだった。
FDJ3 Round.2 7位
田村行稔(RPS13)
予選を6位で通過し、グレイト8に進出。3位のオタハラジュニオルに敗れるも乱れの少ない走りをみせてくれた。
FDJ3 Round.2 8位
玉谷柊真(JZX100)
予選8位からグレイト8に進出。グレイト8でもレベルの高い走りを披露したが、惜しくも茂木真那斗に敗れ、8位となった。
FDJ3 Round.2 15位
リッキー ぺレス(JZX100)
FDJ3 Round.2 16位
ゴマート デヴィット(JZX110)
Photo:NOBUTOSHI KANEKO(金子信敏)