予選通過は16台
狭き枠を制してトップを狙う!
FDJ2は横浜ゴムプレゼンツで開催され、使用タイヤはYOKOHAMA ADVAN NEOVA AD09で行われている。さらに今年から「MID WHEELS」のワンメーカー・ワンメイクルールを採用し、タイヤ&ホイールのワンメイクレースとなった。これはドリフト競技史上初の試みで、よりイコールコンディションに近い形で開催されている。
第1戦から第3戦までの勝者が入れ替わる大混戦状態。誰がいち早く抜け出すのか、このラウンドがシリーズチャンピオン獲得への重要な一戦となった。
決勝トーナメントは16台
まずは予選突破が第一課題となる
今年注目のルーキーが多く参戦し、活躍の中心となっているFDJ2。それを阻止するベテラン勢。第3戦ではエビスサーキットをホームコースとして、得意のラウンドとする水野俊彦が2年振りの優勝を上げて、ルーキーたちに待ったをかけた。
今回のスポーツランドSUGOは、FORMULA DRIFT JAPANとの併催となるため、予選通過台数が通常の32台から16台に絞られる。シリーズチャンピオンを狙う者に取って、絶対に落とせない1戦となる。
スポーツランドSUGOの審査コーナーは、1コーナーに1アウトゾーン、2コーナーから3コーナーには2アウトゾーンと3アウトゾーン、3コーナー立ち上がりに4アウトゾーンが設置された、明確なコースレイアウト。しかしラインを外すとその後のアウトゾーンが取れなくなることもあり、進入から1コーナーへのアプローチが重要となる。得点配分的には、ラインとアングルは1アウトゾーンから3アウトゾーンが各10ポイント、4アウトゾーンが5ポイントで各35ポイントの計70ポイント。残り30ポイントがスタイルとなる。平均的に配分されている分、どのアウトゾーンも外すことはできない設定となっているのだ。しかも予選時の路面コンディションはウエット。得点を残せず消えていく者も少なくなかった。
予選1本目に83ポイントの高得点を獲得したのは、14番手スタートの横山拓麻(S15)。0ポイントが続いたなかでの高得点獲得は意味のある形となった。その後60~70ポイント台が続くなか、ジェイス(Z33)が80ポイントを出すも横山拓麻には追いつけない。
しかし現在ランキング上位の走行に入ると、長瀬幸治(IS3500C)が88ポイントを出して引き離す。次に走行したセナ(JZX100)も88ポイントと、予選通過のハードルを上げていく。
予選2本目も0ポイントが続いたが、7番手出走のラーマン ラセル(JZX100)ライン、アングルともに決めて86ポイントを獲得して3位に浮上した。予選通過のボーダーラインが70ポイントと押し上げられていくなかで注目はトップ争い。88ポイントでトップタイの長瀬幸治の2本目、攻めていくもミスを出し得点出来ず0ポイントに終わる。ここで1ポイントでも獲得すれば単独トップとなるセナは、2本目もまとめて80ポイントを獲得。あとは残る3名が88ポイント以上出さなければセナの単走優勝となる。
1本目73ポイントの江崎台地(S15)が82ポイント、水野俊彦(S15)が1本目同様の79ポイント。これでセナの単走優勝が確実かと思われたが、現在ランキング1位の中村総士郎(S15)が88ポイントを獲得。しかし1本目の得点が78ポイントだったため、セナが単走優勝となった。2位が中村総士郎、3位が長瀬幸治と3名が88ポイントで上位となった。4位は86ポイントのラーマン ラセルが入り、5位は83ポイントの横山拓麻が獲得した。今回の予選通過ラインは、秦 錫鈞(チンシジュン E92)の70ポイント。HINATO(JZX100)も70ポイントだったが、もう1本の得点の差で17位となり、予選敗退となった。
最後まで強かったのはこの男、長瀬幸治!
前年度シリーズチャンピオンの意地
予選日のウエットコンディションの雨から打って変わって快晴の下、ドライ路面で行われた決勝トーナメント。トップ16からスタートとなる今回の狭き門は、緒戦から大波乱の幕開けとなった。予選1位通過のセナが、予選16位の、秦 錫鈞(チンシジュン)に、予選8位の水野俊彦が予選9位の杉崎先生(S15)に敗れる展開。その後も予選4位のラーマン ラセルが予選13位のラッセル(RPS13)に、予選5位の横山拓麻が予選12位の木村楓雅(JZX100)に敗れ、上位ランカーがことごとくトップ16で姿を消した。
そんななか、予選2位の中村総士郎は、予選15位の篠内秀一(S14)、予選10位の小林竜也(JZX100)を倒してファイナル4進出を決める。
予選3位の長瀬幸治も予選14位の糸山宗兵(RPS13)、予選6位の江崎台地を破り、ファイナル4進出を決めた。
予選16位の秦 錫鈞(チンシジュン)は、セナを破ったあとも調子をさらに上げ、グレイト8で杉崎先生、ファイナル4ではラッセルを倒して、ファイナルまで駒を進めていく。
予選2位の中村総士郎と予選3位の長瀬幸治が対戦したファイナル4。ルーキー 対 昨年度チャンピオン対決は、長瀬幸治の貫禄勝ちを収め、ファイナルに進む。
初ファイナルの、秦 錫鈞(チン シジュン)とチャンピオン長瀬幸治の対決は、トラブルこそあったが長瀬幸治が攻め落とし、今期初優勝を飾った。
大波乱となった第4戦の結果を受け、シリーズランキングも大きく変動。トップは中村総士郎が312ポイントで維持するものの、2位に275ポイントの長瀬幸治が上がり、トップとの差は37ポイント。2戦で逆転可能な得点まで追いついてきた。3位は順位をひとつ落とした水野俊彦が243ポイントとやや引き離された形。第1戦を制した江崎台地が228ポイントで4位、今回4位を獲得して急浮上となったのが222ポイントのラッセル。単走優勝のセナは214ポイントで6位と順位を下げた。
さらに混戦状態となったFDJ2。残り2戦、これまでに1勝してきたものは勝てばチャンピオンに近づき、また新たな者が優勝すれば、逆転を狙える混沌とした状態だ。残りは奥伊吹モーターパークと今回同様決勝トーナメントはトップ16で行われる岡山国際サーキット。特に決勝トーナメントがトップ32で行われる奥伊吹ラウンドは、誰もが気の抜けない1戦となる。
第4戦の舞台はスポーツランドSUGO。コースにはスタートゲートが立ち、電光掲示板にFDJ2の文字も入れてくれた。
FDJ2 Round.4 優勝
長瀬幸治(IS350C)
あと一歩のところで勝ちを逃してきた、昨年度シリーズチャンピオン。この優勝でシリーズランキングも2位に上がり、連覇への希望の光が灯った。
仮表彰。優勝の長瀬幸治(中央)、2位の秦 錫鈞(チン シジュン 左)、3位の中村総士郎(右)。両サイドはスポーツランドSUGOのレースクイーン。
ステージトラックで行われた表彰式。優勝の長瀬幸治(中央)、2位の秦錫鈞(チンシジュン 左)、3位の中村総士郎(右)。右がスポーツランドSUGOのレースクイーンで、左がFORMULA DRIFT JAPANのレースクイーン。
FDJ2 Round.4 2位
秦 錫鈞(チンシジュン E92)
予選16位で通過し、決勝トーナメントに滑り込み、予選トップを撃破。その後も順調に勝ち進み、初のファイナル進出を果たした。
FDJ2 Round.4 3位
中村総士郎(S15)
崩れることなくしっかりとした安定した走りで、常に上位争いに加わる。今回はトップとは1ポイント差の予選2位からファイナル4に進出したが、中村総士郎に敗れ、3位に終わった。
FDJ2 Round.4 4位
ラッセル(RPS13)
予選4位を獲得し絶好調だったラーマンラセル、予選12位の木村楓雅を倒し、ファイナル4進出を果たした。
FDJ2 Round.4 5位
江崎台地(S15)
予選6位で通過するも、グレイト8で優勝した長瀬幸治と対戦し敗退。シリーズランキングもひとつ下げて4位。
FDJ2 Round.4 6位
杉崎先生(S15)
前戦で優勝した水野俊彦を破り、グレイト8進出。予選16位から走るたびに調子を上げる秦錫鈞(チンシジュン)に敗退。シリーズランキングは10位に浮上。
FDJ2 Round.4 7位
小林竜也(JZX100)
とにかく安定感のある走りで常に上位争いを続ける。今回7位、シリーズランキングも7位をキープ。
FDJ2 Round.4 8位
木村楓雅(JZX100)
予選1本目は68ポイントにとどまるも、2本目は75ポイントを獲得して12位で通過。グレイト8に進出して好調をアピールした。
FDJ2 Round.4 9位
セナ(JZX100)
予選をトップで通過したが、トップ16でよもやの敗退。シリーズランキングも6位と2ランクダウン。
FDJ2 Round.4 10位
ラーマン ラセル(JZX100)
予選2本目ではウエット路面ながらキレイに攻めた走りを見せ、4位を獲得したが、決勝トーナメントではトップ16で配置となった。
FDJ2 Round.4 11位
横山拓麻(S15)
なかなか追走では勝てないレースが続いていて、今回も予選5位を獲得し決勝トーナメントに向かうも、トップ16で敗退となった。
FDJ2 Round.4 12位
ジェイス(Z33)
Z33を自在に操り、雨の予選を7位で通過した。
FDJ2 Round.4 13位
水野俊彦(S15)
前戦では見事優勝を遂げたが、今回は予選は8位で通過するも、トップ16で敗退に終わった。
FDJ2 Round.4 14位
井上スチュアート(S15)
予選では、1本目74ポイント、2本目77ポイントを獲得し、確実さをアピールしたが、トップ16で敗退、14位となった。
FDJ2 Round.4 15位
糸山宗兵(RPS13)
予選は2本ともに74ポイントを獲得し、確実性のある走りをアピール。トップ16で敗退するも、シリーズランキングは13位に浮上した。
FDJ2 Round.4 16位
篠内秀一(S14)
予選1本目は0ポイントに終わるも、2本目で71ポイントを獲得し、15位で決勝トーナメント進出を果たす。今年予選突破は初となり、シリーズランキングは25位に。
Photo:NOBUTOSHI KANEKO(金子信敏)