2025 FDJ3 Rd4 日光 レポート&リザルト

超新星、現る!
日光で覚醒したリッキーペレスに大注目!!

10代の若いドライバーが活躍するFDJ3だが、毎回スターが登場し、大会を面白くしてくれている。第3戦ではベテランドライバーが2位に入り、感動的なファイナルとなったが、栃木県の日光サーキットで行われた第4戦も見応えある大会となった。日光サーキットは古くからグリップやドリフト走行で人気で、日本で一番忙しいサーキットと呼ばれていた。FDJ3シリーズも後半戦に突入。シリーズチャンピオンを狙うには最も大事な1戦となる。

高レベルで激化する単走バトル
最高のラインを通って豪快に走り抜ける

タイヤ・ワンメイクレースとして開催されている、FDJ3。そのワンメイクレース用として選出されたのが、ヨコハマタイヤの「ADVAN APEX (アドバン エイペックス)V601」だ。ADVAN APEX V601は、GRカローラRZに純正採用されたスポーツタイヤで、非対称トレッドパターンが特長で、どんな環境においても使いやすいタイヤとして注目を集めている。そんなADVAN APEX V601の実力をフルに発揮して激しいドリフトバトルが行われている

第4戦は、古くからドリフトのメッカとして人気の日光サーキット。本来であれば、最終コーナーからドリフトで進入し、ホームストレートを抜けて、豪快に1コーナーに進入する。そこから6コーナーまでドリフトをしていくというのが、オーソドックスなドリフトコース。しかしFDJ3では、正周りでの走行は同様だが、FDJ2でも使用したショートカットを使ったFORMULA DRIFT JAPANならではのオリジナルコースを使用。ホームストレートにスタート地点を設け、1コーナー手前に1アウトゾーン、1コーナーに2アウトゾーン、その奥に3アウトゾーンを設置。そこからショートカットを使い、4アウトゾーンを抜けてフィニッシュとなる。

8月開催、灼熱の炎天下で行われたFDJ3は、天候にも負けない熱い戦いが繰り広げられた。予選1本目、中澤ブユ(RPS13)は、1番手というプレッシャーをはねのけ、74ポイントを獲得。3番手にスタートした井藤寛人(RPS13)も77ポイントを獲得し、混戦のFDJ3に拍車をかけた。その後、関根俊幸(S15)が75ポイントを出すも、やはりこのテクニカルな難コースに苦しむ選手も多く、77ポイントの井藤寛人が中盤までトップをキープする。

しかし17番手スタートの稲見 亮(JZX100)が78ポイントで1ポイント上回り一時トップに立つも、天野直樹(JZX100)が83ポイントでトップに立った。そして1本目に87ポイントの高得点を出してきたのは、リッキー ペレス(JZX100)だ。開幕戦から予選通過するも決勝トーナメントのトップ16で敗退が続き、現時点でのシリーズランキングは10位といった選手。その後、第2戦以降調子を上げている皆川一茶(S15)が77ポイント、ハコスカでチャレンジ中の徳山昇英(GC10)が83ポイント、第1戦の覇者である飯島優惺(JZX100)が82ポイント、前田 慶(AE86)が84ポイントを出すも、リッキー ペレスには追いつけない。シリーズランキング1位の茂木真那斗(S14)と2位の中村龍輝(S15)も80ポイント台の得点を出すことはなく、1本目が終了した。

2本目も攻めの豪快なドリフトでチャレンジする選手が続くなか、やはりラインや脱輪による減点で、なかなか得点を伸ばすことができない。唯一徳山昇英が80ポイントを獲得するも、最後までリッキーペレスが獲得した87ポイントは抜けずに終わった。

予選1位はリッキーペレス、2位は84ポイントの前田 慶、3位は83ポイント(セカンドベスト80ポイント)の徳山昇英、4位は83ポイント(セカンドベスト64ポイント)の天野直樹となった。

ランキング上位が苦戦
まさに下克上のラウンドとなった。

予選から波乱となった第4戦は、ランキング5位の尾崎ドグラス、7位の高宮悠樹(JZX110)が予選で敗退し、シリーズ争いから大きく脱落。ランキング1位の茂木真那斗が予選13位、2位の中村龍輝が予選14位と苦戦が強いられたなかで行われた、追走の決勝トーナメント。

予選1位のリッキー ペレスは、トップ16で予選16位の箕輪昌世(JZX100)と対戦し、ワンモアタイムにもつれ込む。技ありのテクニックを見せる箕輪昌世だったが、勢いあるリッキー ペレスに軍配が上がり、辛くも予選1位の実力を発揮した。その後予選9位の皆川一茶を倒してファイナル4入りを果たす。予選2位の前田慶も好調だ。予選15位の関根俊幸、予選7位の田村行稔(RPS13)を破りファイナル4に勝ち上がる。

トップ16で注目の対決となったのは、予選3位の徳山昇英対予選14位の中村龍輝戦だ。この戦い、すんなり終わるはずもなく、ワンモアタイムへ。ワンモアタイムでは徳山昇英がライン良く走り、もはや強敵となった中村龍輝を倒し、さらに予選11位の百瀬 豊(PS13)を倒してファイナル4進出を果たした。

予選4位の天野直樹は、トップ16で予選13位の茂木真那斗と対戦。しかしこのトップ16で茂木真那斗に敗れて姿を消した。茂木真那斗は、グレイト8に勝ち上がってきた予選12位の上原詠太(S15)も破り、ファイナル4入りを果たした。

ファイナル4は、予選1位から3位、そして第3戦終了時点でランキング1位という、本日乗れているドライバーと実力上位の戦いとなった。

リッキー ペレスは茂木真那斗と対戦。しっかりとラインを取るリッキーペレスに対し、茂木真那斗はラインがやや乱れて敗退となり、本日1番乗れているリッキー ペレスの勝利となった。前田 慶 対 徳山昇英も激しいバトルとなったが、この戦いも予選上位の前田 慶が勝ち上がり、ファイナルは予選1位対2位の対決となった。

ファイナルは、リッキー ペレス先行の1本目走行終了後、2本目を前にして前田慶のマシンにパワステトラブルが発生し、直らずにリタイア、最後まで走り切ったリッキーペレスが第4戦の王者となった。

第4戦終了時点で、シリーズランキングは茂木真那斗が295ポイントでトップを死守し、トップ16敗退の中村龍輝が237ポイントで2位。3位には前田 慶が213ポイントで追い上げてきたという展開。少し離れてはいるも、176ポイントの徳山昇英と174ポイントのリッキー ペレスが猛追する。逆に第1戦で優勝した飯島優惺は151ポイントと離されてしまった。残り2戦は、滋賀県の奥伊吹モーターパークと第1戦同様のつくるまサーキット那須。飯島優惺がシリーズに望みをかけるには、奥伊吹モーターパークで上位の成績を獲得し、開幕戦で優勝してきた最終戦のつくるまサーキット那須で勝利するしかない。想像を絶するドラマが生まれるFDJ3、最後まで注目してもらいたい。

FDJ3 Round.4 優勝
リッキー ペレス(JZX100)
今回の優勝で、シリーズランキングも10位から5位に大きくジャンプアップ。3戦連続トップ16敗退を覆す活躍に、今後も台風の目となるであろう存在だ。

仮表彰での勝ち名乗りを受け、人差し指を突き出して1位をアピールするリッキーペレス。

表彰式。優勝したリッキーペレス斗(中央)、2位の前田 慶(左)、3位の徳山昇英(右)。

ファイナル終了後に審査員席前のコース上で行われた仮表彰。左から、2位の前田 慶、優勝のリッキーペレス、3位の徳山昇英。

上位入賞したドライバーとチーム関係者。

FDJ3 Round.4 2位
前田 慶(VE86)
ファイナルではパワステトラブルでリタイアとなったが、予選2位から決勝トーナメントも2位を獲得し、シリーズランキングも3位に浮上した。

2位の前田 慶と3位のチ徳山昇英、そしてチーム関係者。

FDJ3 Round.4 3位
徳山昇英(GC10)
見応えがあったのは、グレイト8での前田慶(VE86)との戦い。両者ともに一歩も引かない攻めのドリフトだった。勝敗は前田慶に上がったが、ハコスカドリフトの神髄を見せた見事な走りだった。

予選1本目で87ポイントを獲得、単走優勝に輝いたリッキーペレスの走り。

FDJ3.Round.4 4位
茂木真那斗(S14)
予選1本目で0ポイントとなってしまい、苦しい展開になるも、予選13位からファイナル4進出を果たし、4位を獲得。シリーズランキングも2位に58ポイント差を付けた形となった。

FDJ3 Round.4 5位
田村行稔(RPS13)
予選7位からグレイト8に勝ち進み、5位を獲得シリーズランキングも8位に上がった。

FDJ3 Round.4 6位
皆川一茶(S15)
予選9位を獲得し、前回に続き今大会も6位。シリーズランキングは7位に上昇した。

FDJ3 Round.4 7位
百瀬  豊(PS13)
第3戦終了時点で、シリーズランキングは20位だったが、今回予選11位、決勝トーナメント7位を獲得して、シリーズランキングも16位まで上がった。

FDJ3 Round.4 8位
上原詠太(S15)
トップ16で予選5位でランキング3位(第3戦終了時点)の飯島優惺(JZX90)を破り、グレイト8進出を果たした。これでシリーズランキングも10位に浮上した。

FDJ3 Round.4 9位
天野直樹(JZX100)

FDJ3 Round.4 10位
飯島優惺(JZX90)

FDJ3 Round.4 11位
藤田翔一(JZS151)

FDJ3 Round.4 12位
宮城憂梨愛(FD3S)

FDJ3 Round.4 13位
井藤寛人(RPS13)

FDJ3 Round.4 14位
中村龍輝(S15)

FDJ3 Round.4 15位
関根俊幸(S15)

FDJ3 Round.4 16位
箕輪昌世(JZX100)

トップ16表彰式。

Photo:NOBUTOSHI KANEKO(金子信敏)