2025年ラストを飾った勝者
優勝でシリーズチャンピオンを獲得!
2025年のFDJ3は、ドリフト競技にまた新たな息吹を与えた大会となった。シリーズチャンピオン争いは、10代の若きドライバーが勝ちたいという気持ちを全面に出し、一進一退の攻防を繰り広げられた。そして最終戦、最後の舞台で表彰台の一番高い位置に立った者が獲得。劇的な形で終了。若き力は、更なる高みへドリフト競技を導いてくれる、そんな期待を抱かせてくれた。
第1戦から審査コーナーを
大きく変更して行われた
FDJ3もFDJ2同様、ワンメイクで行われている。タイヤをヨコハマタイヤの「ADVAN APEX (アドバン エイペックス)V601」のワンメイクとして、イコールコンディションにより近い形で開催を続けている。このADVAN APEX (アドバン エイペックス)V601は、GRカローラRZに純正採用されたスポーツタイヤで、非対称トレッドパターンが特長で、どんな環境においても使いやすいタイヤとして注目を集めている。
各自個性の強いマシンに、ADVAN APEX (アドバン エイペックス)V601を履き、激しいドリフトバトルが繰り広げられている。
最終戦は、開幕戦が行われた「つくるまサーキット那須」で開催された。使用コースは同様だが、審査コーナーを大幅に変更。これまでは通常でいう逆走という形で行ってきたが、今回は正周りに変更し、2コーナーを過ぎたところにスタート地点を設置。スタートしてすぐタッチアンドゴー、大きく回り込む次のコーナーに1アウトゾーンから4アウトゾーンという形だ。審査席は4アウトゾーンとフィニッシュラインが設けられた辺りとなり、スタート地点からすべてを見渡す。
そんな新レイアウトでの最終戦、予選1本目1番手でスタートした豊田雄一郎(JZX100)が74ポイントを獲得。5番手スタートの樽見淳も74ポイントと、序盤からレベルの高さを感じさせるスタートとなった。
18番手スタートの郡司雅之(S14)がライン28、アングル29,スタイル25ポイントで計82ポイントを獲得し、2位以下を大きく引き離す。その後、藤田翔一(JZS151)が80ポイント、船橋竜(Z33)、宮城憂梨愛(FD3S)が80ポイントで郡司雅之に迫る。上位陣も黙っていない。この時点でシリーズランキング6位の上原詠太(S15)が89ポイントでトップに立つ。さらにシリーズランキング2位の中村龍輝(S15)が90ポイントを出して1本目終了時点でのトップとなった。
予選2本目、トップに立つには90ポイント越えを狙うしかない。1本目82ポイントの郡司雅之が88ポイントで自己アベレージを更新。リッキーペレス(JZX100)も1本目の73ポイントから81ポイントへ大きくステップアップ。しかしなかなか90ポイントを超える走りが出ない状況で予選は進む。中村龍輝の2本目は0ポイントに終わり、最後の走行となった茂木真那斗も87ポイントにとどまり、中村龍輝が1本目の90ポイントで単走優勝を獲得した。予選2位は1本目に89ポイントを獲得した上原詠太、3位は88ポイントの郡司雅之、最後に87ポイントを出した茂木真那斗は4位となった。5位は前田慶、6位はリッキーペレスが入り、シリーズランキング上位陣が入る形となった。
シリーズを賭けたファイナル4は
ワンモアタイムの末での決着となった
少しでも良い成績で終わりたい……。そんな気持ちが伝わってくる最終戦。予選上位はランキング上位が独占した形となった。
逆転でのシリーズチャンピオン獲得を目指す中村龍輝は、予選1位で通過し、予選16位の飯島優惺(JZX90)、予選8位の黒田真由(PS13)を倒し、順調に勝ち上がる。
予選2位の上原詠太も予選15位の樽見淳、予選10位の船橋竜を倒してファイナル4進出を果たす。
予選3位の郡司雅之は、トップ16で予選14位の酒匂千利(JZX100)を倒してグレイト8進出を果たすも、予選11位の徳山昇英(GC10)に敗れ、5位で終了となった。
予選4位の茂木真那斗は、予選13位の稲見亮(JZX100)、予選5位の前田慶を破り、ファイナル4進出を果たす。
ファイナル4の1組目は、ランキング2位の中村龍輝対ランキング1位の茂木真那斗で、この戦いを制した方がシリーズチャンピオンの行方を大きく左右する、今年最後の大一番となった。中村龍輝先行の1本目、2台ともに魅せる走りで決めてきた。入れ換えの2本目は茂木真那斗が先行。ここで茂木真那斗が勝てばチャンピオンが決定する。この2本目もお互いに譲らない好バトルとなった。中学生同士のこの戦いは決着が付かず、3名のジャッジがワンモアタイムをコールし、再度決着を付けるという結果となった。
ワンモアタイムの1本目、中村龍輝先行でスタート。ここも2台共に美しいドリフトを披露。意地とテクニックで魅せる走りを連発する。茂木真那斗先行の2本目も見事な追走バトルとなった。この戦いは3名の審査員が中村龍輝に票が入り、中村龍輝の勝ち上がりとなった。1本目は僅差だったが、2本目の1アウトゾーンで先行の茂木真那斗のラインが小さくなったというところの差での勝敗決着となった。
ファイナル4の2組目は、上原詠太と徳山昇英の高校生対決となった。この対戦は前回の第5戦のファイナルでの組み合わせ。奥伊吹では徳山昇英が勝ち優勝を決めたカードだ。1本目の先行は上原詠太で走行開始。徳山昇英は車間距離を詰めた走りを見せる。先行もミスなく走行したが、徳山昇英の後追いも見事だった。徳山昇英先行の2本目、しっかりと先行の走りをする徳山昇英に対し、後追いの上原詠太もピッタリと車間距離を詰めた走りで攻め立てる。この戦いも決着が付かずワンモアタイムへ。
ワンモアタイムでは、ここでも2台共に攻める走りを見せたが、徳山昇英先行の2本目、1アウトゾーンで後追いの上原詠太が接触。この接触が上原詠太のミスという判断となり、徳山昇英がファイナル進出を果たした。
最終戦ファイナルは、中村龍輝と徳山昇英の対決。中村龍輝がここで勝利すればシリーズチャンピオン獲得、徳山昇英が勝てば茂木真那斗がシリーズチャンピオン獲得となる大事な1戦となった。1本目、中村龍輝先行では1アウトゾーンでタイヤ1本の脱輪があったが、後追いの徳山昇英には角度の浅さも見られた。2本目、徳山昇英先行時、中村龍輝がかなりハイレベルな後追いをみせたが、先行の徳山昇英は2ゾーンで振られたこともあり、この勝負はワンモアタイムに持ち込まれた。
ファイナルのワンモアタイム、1本目中村龍輝先行では、2台ともに大きなミスなく走り切った。徳山昇英先行の2本目、徳山昇英も大きなミスなくクリアする。対して後追いの中村龍輝も集中力を切らせない走りで応戦する。この戦いは中村龍輝が勝利し、逆転でシリーズチャンピオンも獲得した。2位は徳山昇英、3位は上原詠太が獲得した。
数々のドラマを生んだ、2025年のFDJ3。新しい選手が続々と登場して、活躍してくれたシーズン。特に若い選手の活躍に沸いたシリーズとなった。



FDJ3 Round.6 優勝
中村龍輝(S15)
走行後コメント:「この1年間皆様に助けられながらやらせてもらいましたが、あまり結果が出せなくて。最終戦で結果を出せて良かったです。今まで僕のクルマを走らせてくれた皆様や家族に、この勝利を伝えたいと思います」
コース上で行われた仮表彰で、勝ち名乗りを受けて両手を挙げる中村龍輝。
表彰式。優勝した中村龍輝(中央)、2位の徳山昇英(左)、3位の上原詠太(右)。

ファイナル終了後に審査員席前のコース上で行われた仮表彰。左から、2位の徳山昇英、優勝の中村龍輝、3位の上原詠太。
予選1本目で90ポイントを獲得、単走優勝に輝いた中村龍輝の走り。
2025年シリーズチャンピオンに輝いた中村龍輝(中央)。プレゼンターは横浜ゴムの斎藤さん(左)。
FDJ3 Round.6 2位
徳山昇英(GC10)
走行後コメント:「最後、2連勝をしたかったのですが、中村龍輝選手が速くて、思うような走りが出来なかったことが悔しいです。今年1年、初めて参加させていただいて、スポンサーの皆様や両親、応援していただいた皆様、運営の皆様に本当に感謝しています」
FDJ3 Round.6 3位
上原詠太(S15)
走行後コメント:「この1年、色々な人に協力してもらい、助けていただきました。楽しい1年にしていただきました。良い仲間たちに恵まれて、本当に楽しい1年でした。関わっていただきました皆様、本当にありがとうございました」
FDJ3 Round.5 4位
茂木真那斗(S14)
ファイナル4で第4戦同様、徳山昇英と対戦。今回は敗れてしまったが、4位を獲得。シリーズランキングは4位。
FDJ3 Round.6 5位
郡司雅之(S14)
優勝した徳山昇英とグレイト8で対決。敗退し5位に終わるも、シリーズランキングは1位をキープ。
FDJ3 Round.6 6位
前田 慶(VE86)
予選7位から決勝トーナメント進出を果たし、トップ16では第4戦で優勝したリッキーペレスにワンモアタイムの末、勝利した。
FDJ3 Round.6 7位
黒田真由(PS13)
トップ16では予選9位の黒田真由と対戦し、ワンモアタイムを制してグレイト8に勝ち進んだ。
FDJ3 Round.6 8位
船橋 竜(Z33)
予選12位だったが、予選5位の中澤ブユにトップ16で勝利。上原詠太にグレイト8で敗れるも8位を獲得し、シリーズランキングも13位に上昇した。
FDJ3 Round.6 9位
リッキーペレス(JZX100)
Photo:YOICHI WATANABE(渡辺洋一)











