FDJ2、5年目のシーズンは
タイヤ&ホイールのワンメイク
横浜ゴムプレゼンツで2021年にスタートしたFDJ2は、ドリフト競技初の試みとして、使用タイヤはYOKOHAMA ADVAN NEOVA AD09のワンメイクでスタートした。さらに今年から「MID WHEELS」のワンメーカー・ワンメイクルールを採用し、年間エントリー者には、「MID WHEELS」のホイールが6本無償提供され、MID RACINGのR06、R07、R25、R26、TR50の5種類から選択できるという形での開催となった。このワンメーカー・ワンメイクルールの狙いは、バネ下重量を一定化すること。タイヤ同様、イコールコンディションにより近い形でのドリフトバトルが見所となる。
開幕戦は、FDJ2初となる富士スピードウェイ。これでFDJ2もトップカテゴリーのFORMULA DRIFT JAPAN同様、3つの国際サーキットで競われることとなった。今年のエントリーは、これまでFDJ2で戦ってきたドライバーの他、FDJ3からランクアップ組や新規参戦ドライバーなど46台。新たな戦いが全6戦で行われるのだ。
FORMULA DRIFT JAPANと併催となった
富士スピードウェイ開幕戦の予選通過は16台
憧れの富士スピードウェイでの高速ドリフト、それがFDJ2でも実現した。FUJIXTREME DAYのなかでFORMULA DRIFT JAPANとの併催で、4月25日(金)に予選、26日(土)に決勝トーナメントという形で行われた。審査はFORMULA DRIFT JAPAN同様、コカコーラコーナー立ち上がり付近をスタートし、100Rに1アウトゾーン、ヘアピン手前に2アウトゾーン、ヘアピンにインクリップ、そして立ち上がり地点に3アウトゾーンが設けられ、3アウトゾーンを過ぎた辺りがフィニッシュラインとなる。
開幕戦に参戦したのは、今回はFORMULA DRIFT JAPANとの併催となるため、予選通過は16台。開幕戦にエントリーしたのは38台だが、マシントラブル等で予選に参戦したのは、35台となった。
ドライ路面の最高のコンディションで行われた予選は、1本目から高得点が続出する激しい争いとなった。まず83ポイントを叩きだしたのは、FDJ3からランクアップしてきた小林知彦(ZN6)だ。ラインをキッチリ取った走りをみせた。同じくFDJ3からのステップアップ組で昨年シリーズチャンピオンを獲得した江崎台地(S15)が85ポイントと、勢いある走りでトップに立つ。1本目残り3番目で出走した水野俊彦(S15)は、トップタイとなる85ポイントを獲得。その後に出走した川瀬羚也(S14)が84ポイントとFDJ2組の意地をみせる。昨年のFDJ2シリーズチャンピオンの長瀬幸治(IS350C)も75ポイントを獲得し、まずまずの位置をキープした。
2本目、1本目に83ポイントを獲得した小林知彦は、トップに並ぶ85ポイントを獲得し、三つ巴の戦いとなった。しかし、FDJ3からのステップアップ組で14歳のHINATO(JZX100)が87ポイントで最高ポイントを更新して単独トップに立つ。しかしその3台後に出走した17歳のジェイス(Z33)も87ポイントを獲得してトップに並ぶ。このままFDJ3ステップアップ組のワンツーかと思われたが、昨年FDJ2シリーズランキング4位の18歳、川瀬羚也が文句なしの走りで88ポイントを獲得。開幕戦の単走優勝に輝いた。2位はジェイス、3位はHINATOと、トップ3が10代で占めた。予選通過のボーダーラインは、75ポイント。75ポイントでトップ16に残ったのは、杉崎先生(S15)と稲岡優樹(ER34)の2名。果敢に攻めたFDJ3ステップアップ組の横山拓麻(S15)は僅か1ポイント差の73ポイントで、ここで姿を消した。
見応えあるドリフトバトルが連発
スタップアップ組の江崎が開幕戦を制す!
予選も激しいトップ争いを演じたFDJ2の開幕戦は、追走トーナメントに入ってからも熱く激しいドラマの連続だった。予選トップ通過の川瀬羚也は、トップ16で予選16位の稲岡優樹と対戦。川瀬羚也先行の1本目、見事な進入をみせるも、途中でエンジンが吹けなくなったような形でコースアウト。かなり厳しい戦いとなった。後追いの2本目、やや距離を空けながらの走りとなるも走り切るも1本目の先行時のミスにより、ここで敗退。稲岡優樹がグレイト8進出を果たした。
予選2位のジェイスは、予選15位の杉崎先生と対戦。1本目、先行のジェイスは1アウトゾーン付近でマシントラブルを発生。コンペティションタイムアウト(5分間)を使うもリタイアとなり、トップ16敗退となった。さらに予選3位のHINATOもワンモアタイムの末に、予選14位通過のラッセル(RPS13)に敗れ、これで予選1~3位がトップ16で消えていった。
そんななか予選4位の江崎台地は、トップ16は予選13位の糸山宗兵(RPS13)のマシントラブルにより不戦勝、グレイト8も予選5位の小林知彦を破り、ファイナル4へ進出。ファイナル4では、予選1位の川瀬羚也、予選9位の中村総士郎(S15)を倒して勝ち上がってきた稲岡優樹を倒して、ファイナル進出を果たした。
トップ16走行前にマシントラブルによりコンペティションタイムアウト(5分間)を使った予選7位のセナ(JZX1000)は、予選10位の水井大揮、杉崎先生、ラッセルを倒して、ファイナルへ進出。
ファイナル江崎台地先行の1本目、後追いのセナは車間距離を詰めていくもミスがあり、ポイントを奪われる形となった。セナ先行の2本目、後追いの江崎台地はやや話され気味の走りとなる。勝負は後追いでの減点の差で、江崎台地がFDJ2初参戦で初優勝を飾った。2位はセナ、3位はラッセルが入った。
FDJ2 Round.1 優勝
江崎台地(S15)
FDJ3からステップアップして、初挑戦となるFDJ2開幕戦で、予選4位から優勝を決めた。
仮表彰。優勝の江崎台地(中央))、2位のセナ(左)、3位のラッセル(右)。
ステージトラックで行われた表彰式。優勝の江崎台地(中央))、2位のセナ(左)、3位のラッセル(右)。
予選2本目に88ポイントを出して単走優勝に輝いた、川瀬羚也。
FDJ2 Round.1 2位
セナ(JZX100)
予選3位のHINATO、予選6位の水野俊彦、ファイナル4でラッセルを倒してファイナルへ進出。ファイナルで敗れたが、2位を獲得した。
FDJ2 Round.1 3位
ラッセル(RPS13)
ファイナル4の1本目後追いでの接触により、足回りにトラブルが発生。2本目を走れずにリタイアとなったが、3位を獲得した。
FORMULA DRIFT JAPAN Round.1 4位
稲岡優樹(ER34)
予選16位からトップ16に進出し、予選1位の川瀬羚也、予選9位の中村総士郎を倒してファイナル4進出を果たした。
FDJ2 Round.1 5位
小林知彦(ZN6)
FDJ3からステップアップし、予選を5位で通過し、グレイト8進出を果たした。
FDJ2 Round.1 6位
水野俊彦(S13)
昨年もFDJ2に参戦し、シリーズランキング13位。カラーリングを一変したマシンで登場し、予選6位からグレイト8に進出。
FDJ2 Round.1 7位
中村総士郎(S15)
昨年はFDJ3に参戦し、シリーズ4位を獲得。初参戦となるFDJ2でも予選9位からグレイト8に進出して存在感をアピールした。
FDJ2 Round.1 8位
杉崎先生(S15)
予選1本目73ポイント、2本目は75ポイントと、安定した走りでグレイト8に進出して8位を獲得。
FDJ2 Round.1 9位
川瀬羚也(S14)
予選は1本目に84ポイント、2本目には88ポイントを獲得して単走優勝に輝き、絶好調をアピールしたが、トップ16でまさかの敗退。9位に終わった。
FDJ2 Round.1 10位
ジェイス(Z33)
昨年はFDJ3に参戦し、シリーズ3位を獲得。予選を2位で通過したが、トップ16で1本目走行中にトラブルを発生し、リタイアとなった。
FDJ2 Round.1 11位
HINATO(JZX100)
昨年はFDJ3でシリーズ10位。今年はFDJ2に初参戦し、予選3位を獲得。トップ16ではワンモアタイムの末、敗退となった。
FDJ2 Round.1 12位
青木竜介(JZX100)
昨年はFDJ2シリーズ21位。予選8位からトップ16に進出した。
FDJ2 Round.1 13位
水井大揮(S15)
昨年はFDJ2シリーズ18位。予選10位を獲得し、トップ16に進出。2位を獲得したセナに敗退した。
FDJ2 Round.1 14位
長瀬幸治(IS350C)
昨年のFDJ2シリーズチャンピオン。今年は2連覇を狙って参戦。予選11位でトップ16で予選6位の水野俊彦に敗れ、14位に終わった。
FDJ2 Round.1 15位
山口洋平(S15)
予選1本目に79ポイントを獲得し、予選12位で通過。トップ16で小林知彦と対戦し、敗退。15位に終わった。
FDJ2 Round.1 16位
糸山宗兵(RPS13)
予選13位で決勝トーナメント進出を果たすも、トップ16走行前にマシントラブルを発生。コンペティションタイム(5分間)を使うも間に合わずリタイアとなった。
コース上で行われた、トップ16セレモニー。16名が予選を通過し、決勝トーナメント進出した。
Photo:NOBUTOSHI KANEKO(金子信敏)